優れたクラウドベースのサービスは、顧客にとって可能な限り簡単で使いやすいサービスを提供する一方で、データ・セキュリティについては厳格な基準を維持し、常にバランスを保っていなければなりません。
建設業界が急速にデジタル建設に移行している中、エンドユーザーが日常的に使用する上で不便な点があると多少不満に思ったとしても、使用するデジタルツールの信頼性を高め、基礎となるデータを
保護することが最優先です。
しかし、これらのセキュリティ機能がデータセキュリティのすべてを網羅しているわけではありません。レンドラ社は、StreamBIMの全プロジェクトにおいて、ハイレベルのデータセキュリティを維持すること
に重きを置いています。
Stream BIMの地域サーバー
地域サーバーを設置する主な理由は機能的なもので、ユーザーの待ち時間を短縮し、パフォーマンスを向上、そしてデータ保存の要件に準拠するためです。データの基本的なダウンロードは距離よりも各自の
インターネット接続に依存しますが、高度なクエリのようにデータベースとのデータ往復を伴う操作は、遠距離サーバーではパフォーマンスが低下します。その理由から、日本サーバーとオーストラリア
サーバーを新設し、現在ではそれぞれの国や地域の主要サーバーとなっています。
しかし、私たちが新しいサーバーの場所を選ぶ際に考慮するのは、特定の市場に近いということだけではありません。
顧客のデータを保護する場合、データ・ストレージを取り巻くフレームワークも同様に重要です。
サーバープロバイダーの選択
レンドラ社は、これまで自社でサーバーパークを運営することなく、信頼できる、確立された第三者プロバイダーと提携しています。なぜならそこがお客様のデータの物理的な最終セキュリティライン
となるからです。StreamBIMは、AWSのような著名な国際プロバイダーが運営する一流のデータセンターを使用します。
この種のプロバイダーを利用する利点のひとつは、安定したサービスを提供してきた実績があり、セキュリティー・ルーチンが確立されていること、そして通常、自社でサーバー・パークを構築・管理
していることです。また、海外に多くの拠点を持つプロバイダーは、技術スタッフにとっても好都合です。各サーバー拠点に一貫したシステムがあることで、ソフトウェアやデータベースのメンテナンス
が容易になり、予測もつきやすくなるからです。
データの保存場所 (Data residency)
顧客とそのエンド・クライアントの双方にとって、ますます重要になっているトピックがデータ・レジデンシーです。不特定の海外拠点にデータを保管すれば、特に大陸をまたいだデータ伝送の際、
外部の脅威に対して攻撃のベクトルが非常に多くなる可能性があります。政府施設やセキュリティ施設、重要インフラ、データセンターや産業施設のようなビジネスの中心的な重要性を持つプロジェクト
など、国家的に重要な機密性の高いプロジェクトでは、データを手近に保管できる可能性があることが、エンドクライアントがSaaSソリューションを選択する際の検討事項となります。
StreamBIMの場合、国内データレジデンシーの要件は、特定の顧客のために「プライベートクラウド」オンプレサーバーを立ち上げる必要があること、あるいは、このような要件を持つ顧客が複数いる場合は、
すでに地域サーバーが対応している国のために国別サーバーを立ち上げる必要があることを示しています。
「日本では、お客様のエンドクライアント(特に大企業)の多くが、非常に厳しいデータセキュリティー要件を課しています。データレジデンシーはその中で何度も繰り返し浮上する
ご質問の1つです。私たちにとって、日本サーバーの設置は特定のプロジェクトでStreamBIMの使用を承認する審査手続きの安定化を意味します。日本サーバーがなければ、私たちのようなSaaSソリューションで
多くの顧客の信頼を得ることはかなり困難だったでしょう。」
- エドワードセン・ジャスティン、取締役、株式会社ストリームBIMジャパン
例えば、スウェーデンの新しいStreamBIMサーバーです。ほとんどのスウェーデンのプロジェクトは、依然としてEUのメインサーバーで実行されており、そこで十分なサービスが提供されています。
しかし、スウェーデンでは多くの機密性の高いプロジェクトが国内のデータストレージを必要としているため、市場の要求により、国内の代替サーバーが不可欠となりました。多くの場合、
このサーバーも国内で所有する必要があり、通常利用される国際的なプロバイダーが除外されることさえあります。
政治的に安定した場所にデータを保管することの重要性
最後になりましたが、私たちは常に、政治体制が安定し、法治国家である国に顧客のデータを保管しています。特に、地域サーバーで複数の異なる市場にサービスを提供する場合、顧客が法的権利を有し、
データと個人のプライバシーの両方について明確な規則があり、独立した司法制度によって施行される司法管轄区にデータを保管しなければなりません。地方自治体やその他の関係者が超法規的に顧客データ
にアクセスできるような場所にデータを保管することは、StreamBIMのようなソリューションが必要とするクラウド・コンピューティングの信頼性を損なうことになると痛感しています。
まとめ:
レンドラ社は、StreamBIMを継続的に改善し、お客様に必要なデータセキュリティを提供するために、たゆまぬ努力を続けています。この作業はソフトウェア自体に焦点を当てるだけでなく、
ISO 27001認証取得のような社内的要素にも注力しています。StreamBIMは、顧客とそのエンドクライアントにとって、サーバーの設置場所や提携するプロバイダーなどの外部要因がますます重要になって
きているため、データセキュリティのニーズを予測し、それに応えるために常に適応してまいります。