オスロに建てる新しい都市型救急センターは、先進的で環境に配慮したソリューションを用いること、また早い段階から、 建設中も開設後も柔軟に対応できるやり方を選ぶべきだという考えでした。
PMのアドベンシアによると、「オスロ・メトロポリタン病院」(OSBL)プロジェクトは、大規模なコラボレーション・プロジェクトとして実施されました。 入札と契約のプロセスでは、チーム、ツール、経験、そして作業への理解度が重視されました。 実装費用はコンペに含まれず、参加者に新しい別の方法を考える機会を与えました。
- OBSKが共同プロジェクトとして実施されたことで、私たちは既成概念にとらわれず、新しい現代的なツールを試す機会を得ることができたのです。 以前のやり方に戻すことはもはや誰にとっても難しいとペダー・ボグスティはいいます。彼は元型枠職人で、 現在はスカンスカ・テクニークの「BIM/VDC部門」のシニア・アドバイザー兼BIMスペシャリスト。スカンスカ社はすべてのマニュアルによるIT作業をよりスマートなソフトウェアに置き換えることを総括的な目標として、 長期に渡りデジタルツールに焦点を当て取り組んできました。時間を節約し、コスト削減や品質向上に加え、 工程からあらゆる「紙」を排除するワークフローを構築することを目的としています。 例えば設計や製作図面に貼られる付箋紙や、問題が見つかった時に現場で使われる表示版などです。
StreamBIMの優れている点は、すべてが一箇所に集約されているところにあり、直感的に操作できるインターフェイスには必要なツールや補助がすべてそろっています。 全てが操作しやすい場所にまとめられてあり、ひとつのソリューション上に可能な限りできるのは、それだけでも非常に価値があるとボグスティ氏は言います。
スカンスカは計画と実装のための強固なフレームワークを設計するために、多大なる労力を長期に渡って費やしてきました。そのフレームワークとは、建物の目的を定義づけ、 そのためにプロジェクトチームが果たすべきことは何なのかを明らかにすることから始まります。VDCはそれから3つの柱を設定します。 「ラスト・プランナーシステム(LPS)」、ビッグルームで並行作業を行う「インテグレーテッド・コンカレント・エンジニアリング」(ICE)、 そして関連するデジタル・インタラクション・プラットフォームを備えたBIM。
StreamBIMが非常に役立つことが証明されたのは、特に後者の2つの柱です。このソフトウェアのおかげで、 以前は複数のツールに分散していたものを同一のサーフェイスに集約出来るようになったと、ボグスティ氏は述べています。
早い段階で、すべての「議事録」やケースを設計セッション(ICE)、異業種間調整(TFK)、そして干渉コントロール(KK)から抜き出し、 自分たちでSreamBIMに設定したワークフローに移行することが決められていました。
これまでは、ICEミーティングの「議事録」は、せいぜいOneNoteに記録して参加者にメールで送る程度でしたが、このプロジェクトでは、StreamBIMの「スパートポイント」、 または「ケース」を使って直接行うようになりました。これにより、誰もが最新の計画や決定事項にアクセスができ、最も重要である責任の所在と適用期限が明確になりました。
ボグスティ氏によると、このワークフローは添付の体系化されたメタデータを含む図面を自動的に毎日同期し、すぐに建築現場で使うことができます。 取り決めたインタラクション・プラットフォームの手順に従い、プロジェクト全体で全てのサーフェイスでいつでも使えます。
異業種間調整(TFK)からすべてのポイントをログに残します。これまでほとんど目にしたことがないポイントです。なぜならそれらは通常様々なデザイナーが取り扱い、 異業種間の調整確認は終了したと知らされるからです。その後それに基づいて干渉チェックを行いますが、この段階でそれまでに解決しておくべきエラーが、 想像以上に残っていたことが分かることも珍しくありません。
StreamBIMではこの不確実性を取り除き、エラーや欠陥を元の場所に押し戻します。そうすることで、 アドバイザー自身がすでに報酬を受け取った異業種間の調整に責任を負うようになるのです。
StreamBIMではこの不確実性を取り除き、エラーや欠陥を元の場所に押し戻します。 そうすることで、アドバイザー自身がすでに報酬を受け取った異業種間の調整に責任を負うようになるのです。StreamBIMを使えば、エンジニアや建築家がそれぞれ何をやっていて、そのタスクが完了したかどうかを確認することができます。 コミュニケーションはすべて指定の「ケース」でグループ化され、件名、ステータス、コメント、履歴がタグ付けされます。 タグはワークフロー上のすべてのポイントに基づき、全体をフィルターにかけ、それを基に評価することができます。 これにより「ケース」のオープン、クローズが確認できます。予め体系化しておいた個々の「パッケージ」に対して行うこともできます。実にシンプルで効果的です。
後続の干渉チェック(自分たちで実施)でも、仕組みは全く同じです。ここでは図面やPDFを追加したり、切り抜きメモを作成したりしてその「物」が、 モデルのどこに物理的に配置されているかを調べることも可能です。実際の干渉チェックは通常Solibriで行いますが、 私はBCF経由でStreamBIMに「ケース」をインポートし、そこで確認を行っていきます。これはワークフローの大きな改善点です。
ボグスティによると、ある日、具体的には2022年6月7日、このプロジェクトで「異業種間の調整」から課題が合計1061件寄せられたそうです。 そのうちクローズされなかったのは3件だけであった、つまり未解決の割合は0.3%未満ということになります。干渉チェックでは、 同じ日に1145件のうち8件が未解決のままでした。ICE計画会議では451件中29件が未解決でした。
この数の価値を理解するには相応の技術オタクでなければならないかもしれません。しかし私からみると、この数字はいかに管理に役立っているかを示すと共に、 設計が確実に軌道に乗っていることを表しています。少々狭量な考えだと受け止められるかもしれないが、ほとんどのエンジニアリング・マネージャーたちは、 このような数字に脱帽することでしょう。
ボグスティは、プラットフォームによって生産に差がでると言います。このモデルは、あらゆるデバイスで利用でき、必要な時に必要なものを簡単に見つけることができます。
2000以上のデジタル図面を同期させており、3、4回のキー操作で自分の手元にあるデバイスにすぐに取り込みことができます。ひとつ言えば、 アクセスコントローンに伴う「適切な」権限が必要です。これにより、クライアントと佐生間スカが目指すペーパーレスの建築現場が実現するのです。
ボグスティによると、最適な図面は多くの情報を含む「A1」フォーマットのもので、「スーパードローイング」と呼ばれています。これは2平方メートル分に相当し、 大きさの比率は1:50です。もしこれを印刷しようとすると、情報のほとんどは虫眼鏡を使わないと読めないほど小さな文字になってしまうでしょう。
建設現場において、大量の古い製作図面が使用されていることが問題であり、印刷物が好ましくない理由でもあります。StreamBIMを使えば、 誰もが更新された最新のバージョンをデジタルで入手できるのです。
StreamBIMで、どのデバイスからも「デジタルスーパードローイング」に簡単にアクセスコロナ渦にも関わらず、プロジェクトが計画通りに完了し、プロジェクト予算が大幅に予定より下回ったのは、StreamBIMのおかげだとボグスティ氏は言います。 とりわけStreamBIMのスタッフの手厚いサポートには大満足だったとも。
また、VDC手法の枠組みの中でインタラクション・プラットフォームを使用したことが驚くほど効果的で、プロジェクトを中心に据えることができたとも述べています。
インタラクション・プラットフォームとVDCによって設計工程が合理化され、これのない現実には誰も戻らないだろう結論づけています。
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ペダー・ボグスティ氏 スカンスカ社 シニアアドバイザー兼BIMスペシャリス