#1 - クライアントの視点からのStreamBIM - LKABからの教訓
StreamBIM Day Stockholm 2025の最初のプレゼンテーションは、TikabのJohan Stribeck氏とJhonny Gyllenvråk氏によるもの。
このプロジェクトは、スウェーデン北部の鉱業大手LKAB社の廃鉱破砕処理施設の解体でした。デジタル建設の専門家であるTikabは、入札プロセスとプロジェクト管理を支援するために導入されました。
主な要素としては、1960年代の古い施設を全デジタルワークフローに対応させるためにTikabがどのように支援したか、また解体作業員に対するデジタルツールの使用方法のトレーニングや全般的なフォローアップが挙げられます。

ヨハン・シュトライベック
ティカブ、デジタルワークフロー担当リーダー
スウェーデンBIMの大老」と呼ばれるヨハンは、デジタル建設とスウェーデン建設業界のデジタル化において25年以上の経験を有しています。

ジョニー・ギレンブローク
ティカブ、BIMコーディネーター&デジタルワークフロースペシャリスト
ジョニーはNCCで大工としてキャリアをスタート。この実践的な経験は、2021年にティカブに入社する前にBIMコーディネーションを学び、スカンスカのVDCで働くなど、デジタル化を進める際に役立ちました。
収録日:2025年5月22日
言語スウェーデン語
字幕日本語
主なテーマとポイント
背景と経緯
- このプロジェクトは、スウェーデン北部のスヴァッパヴァーラにある、廃止された鉱石処理施設の比較的小規模な解体作業でした。
- 顧客であるLuossavaara-Kiirunavaara Aktiebolag (LKAB)は、1890年に設立されたスウェーデンの国営鉱山会社です。同社はスウェーデン北部のキルナとマルムベージェで採掘を行い、ヨーロッパの鉄鉱石の約80%を供給しています。
- コンサルタントであるTikab社は、ストックホルムを拠点とし、構造エンジニアリング、デジタルプロジェクト管理、ソフトウェア開発などのサービスを提供するコンサルタント会社。
クライアントのビジョンと目標 (プロジェクト・マネージャー、ステファン・エモスによるLKAB)
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- コンサルタントだけに頼るのではなく、プロジェクト情報のオーナーシップを持つこと。
- 完全な透明性とリアルタイムの進捗状況とコミュニケーションの監視。
- モデル、点群、コミュニケーションの一元化にStreamBIMを活用。
- 理解と伝達のための視覚的な明瞭さ(3Dモデル vs. 旧来の2D図面)を重視。
- トレーサビリティと構造化された情報の流れを確保します。
- 特に地元の解体業者にとって、利用しやすく使いやすいシステムにします。
直面する課題
- オリジナルの資料は1960年代に描かれた紙の図面で、正確さは不明。
- 既存のCADやBIMモデルはありません。
- ドローンでスキャンした点群のみ。
- 入札と執行をサポートするために、使えるデジタルモデルをゼロから開発する必要がありました。
デジタルトランスフォーメーションのアプローチ
- 点群変換:
- ドローンスキャンから簡単な3D形状を作成。
- 安全計画のための主要構造物(鉄骨、コンクリート)、地形、交通流のモデル化。
- モデルのコーディングと構造化:
- プラント部品、地下と地上、稼働状況、解体フェーズごとにタグ付けされたモデル要素。
- 視覚的にわかりやすいようにステージを色分け(例:緑=ステージ1のデモ、紫=キープ)。
- 入札の準備
- 数量計算(例:立方メートルのコンクリート)。
- 明確な入札ドキュメンテーションのために、点群にリンクしたモデルベースのビューと断面を作成。
オンサイトの実装とトレーニング
- ポーランドとスウェーデンの解体作業員を対象に、StreamBIMを使用したワークショップをキルナで開催。
- 作業員は、チェックリストの使用、問題/トピックの作成、QA文書の作成について指導を受けました。
- 電子メールの削減とダイレクト・プラットフォームの利用促進に重点を置いています。
サイト運営と品質保証
- チェックリストを使用してStreamBIMに直接入力される毎日の現場日誌。
- 請負業者のドキュメンテーションに必要なQAテンプレートを開発。
- リアルタイムの追跡と顧客の完全な可視化を実現。
- すべてのコミュニケーション、画像、アップデートは一元化され、構造化されました。
フィードバックと評価
- プロジェクト全体の評価チェックリストが作成され、解体中の継続的なフィードバックが行われました。
- 目標:参加者全員から構造化されたフィードバックを収集。
- LKABとRendra(StreamBIM開発者)への知識移転が目的。
結論
- このプロジェクトは、文書化されていない古い工業用地であっても、デジタルBIM主導の近代的な解体プロジェクトに変貌させることができることを見事に実証しました。
- このアプローチにより、クライアント(LKAB)は、コントロール、透明性、構造を持つことができるようになりました。
- このシステムは、デジタルツールに慣れていない現場クルーでも直感的に操作できることが証明されました。
- この経験は、将来の産業プロジェクトや将来のStreamBIM開発に影響を与えるでしょう。
このケーススタディでは、デジタル建設とBIMが「非常にアナログ」なプロジェクトでもうまく適用できることを紹介しています。
スウェーデン北部の鉱石破砕機の解体は、デジタル資源がほとんどないプロジェクトでデジタル建設を行う方法の好例です。
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